生誕120年 小野竹喬展
東京国立近代美術館で4/11まで開催の
「生誕120年 小野竹喬展」を見てきました。
小野竹喬は、作品は見たことあるけどよく知らなかった画家です。
新日曜美術館で紹介されたのを見て、色の美しさに目を奪われ、
それ以来どうしても行きたい展覧会でした。
展示は大きく分けて、40歳ごろまでの作品と、それ以降のものとなっています。
画業の前半は、新しい日本画の表現について随分悩み、試行錯誤していたようです。
なかにはセザンヌのような作風のものもありました。
30代前半には渡欧し、フランスやイタリアを巡ったとのこと。
同行した土田麦僊のスケッチも合わせて展示されていましたが、
竹喬の方がスケッチは上手いかな?と思いました。
繊細な線で描かれた「冬日帖」は画業前半の代表作だそうです。
淡い色で着色された、それほど大きくない、一見地味にも見える作品。
でもしばらく目を離せなくなりました。
しかし40歳ごろを境にして、ものの形を面でとらえ、
単純化したシルエットと独特の明るい色彩で自然を表現する、という方法に行き着いたようです。
「冬日帖」のようにあれだけ線で表現できる人が、「線」という手段を捨てる、
どうしてこんな大きな決断ができたんだろう。
私自身、40という歳に少しずつ近づいていることもあり、
この歳でそれまでの自分のやり方を大きく変える難しさは、なんとなくわかる気がします。
今日はひさしぶりに絵はがきをたくさん買いました。
この人の絵って、送る側も受け取った人も一緒にうれしい気持ちになれそうな、
やさしいオーラがあるような気がします。
会期末がせまっているとはいえ、平日とは思えない混雑で驚きました。
お客さんの年齢層は高かったので、春休みとか関係ないはずなんだけどな。。
近代美術館の目の前の桜は、残念ながらまだ3分咲きくらいでした。
けれど東御苑内の早咲きの品種はみごとな満開!
今週末はお花見の人も多そうです。