シンプル族の反乱

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シンプル族の反乱(三浦 展 )


面白い :☆☆☆☆
感動した:
役に立つ:☆☆
薦めたい:☆☆☆☆


無印好き、ラジオ好き、家は中古、石けんユーザー、
民芸好き、暮しの手帖読者、骨董市好き…
って、全部うちのことですかっ!?


こんな純シンプル族の我が家は、
映画「ROOKIES」のヒットや五十嵐太郎の近著等で最近注目(?)の
「ヤンキー族」と、どう折り合いをつけていけばいいんだろうか。


消費の沈滞の理由は世界同時不況だけではなく、
消費に対する価値観の変化も重大な原因の一つである、
その「消費に対する価値観の変化」というのが、
「ムダなものを買わない、古きを尊ぶ、ゴージャスよりシンプル」な
「シンプル族」の台頭である、というのが、この本の主旨です。


この前まで勤めていた会社で関わった建売住宅のデザインもそう。
5年前の入社当時は結構凝った外観デザインが要求されたのに、
勤めるうちにどんどんシンプルに変化していきました。
私自身の「シンプル好き」が反映された、という面もありますが、
顧客の好み自体もシンプル好みに向かっていることは確実だと思います。


シンプル族に選ばれる商品開発は
(難しいかもしれないけど)可能なんですよね、きっと。
たとえば、シンプル族はクルマに興味がない。
ガソリン価格が下がってもクルマは売れない。
でも売れないと言っても「プリウス」なんかは現在納車8ヶ月待ちだそうで、
売れています。
クルマに興味がなくても、都心をやや離れればクルマなしで生活するのは現実的でない、
じゃあどれを買うかというと、
少しでもエコなクルマがいい、だからプリウスになる。


自分自身があまりにシンプル族にあてはまりすぎて客観視しにくいので、
そうでない人たちにこの本がどう読まれるのか、興味があります。