「没後400年 長谷川等伯」展
東京国立博物館で3/22まで開催中の
「没後400年 長谷川等伯」展を見てきました。
長谷川等伯というと、「へうげもの」でユニークすぎる襖絵を描いて
古田織部を仰天させていたイメージが、私の中では一番強烈です。
法華教に深く帰依していたこと、狩野永徳に仕事を取られたこと、
長谷川一門の将来を担うはずだった息子を若くして亡くしたことなど、
この展覧会で初めて知りました。
「波濤図」
何か不思議なものを見てしまった、というのが第一印象です。
荒々しく、勢いのある筆遣いの岩と、流れるようなラインの波しぶきが墨一色で描かれ、
金箔の霞がその上に絡まっています。こんなの見たことない。もう一度見たいです。
「萩芒図屏風」
一昨年の「対決」展で惚れ込んだこの作品。
右に萩、左にすすきと野菊が、繊細に、リズミカルに描かれています。
ずーっと見てても、ほんと見飽きない。この柄のきものなんて、作れないでしょうか?
「松林図屏風」
言わずと知れた国宝。
雨上がりの濛濛とした湿気の中かすかに覗く松林、日本ならではの情景だと思います。
展覧会の最後の1室は、この作品のみが展示されており、
他の展示室とは違う、独特の雰囲気が作品から漂っているような気がします。
この部屋では会話する人も少ないように思いました。
近寄ってみると松葉を描く筆遣いは相当激しいことがわかります。
静寂の世界であるにもかかわらず、枯れた感じはせず、
内側に生命力を秘めているような、いのちの豊かさを感じます。
奇跡のような作品だと思います。
4/10〜5/9には、京都国立博物館へ巡回します。
京都展のほうが出品数が多いという噂なので、関西のかた、お楽しみに!
ちなみに、京都展のほうのHP内にある「等伯人生双六」がおもしろいです。必見必見。
東京・京都展共通のチラシはこんなでした↓