ネオテニー・ジャパン展  未成熟な・日本の・私

3つの美術展をハシゴするという、無茶をやりました。


ネオテニー・ジャパン上野の森美術館

日本の美術館名品展東京都美術館

細見美術館開館10周年記念展 日本の美と出会うー琳派・若冲・数寄の心日本橋高島屋


ネオテニー」(現代日本)→「美術館名品展」(明治〜昭和)→「細見美術館」(明治以前)
と、時代を遡る形で近代以降の日本美術史をたどる一日になりました。

細見美術館の鈴木其一や若冲のコレクションは大好きです。
江戸時代にはたしかに完成された美意識があったのが、
それが、これまで細々としか入ってこなかった西洋文化が堰を切ったように流入することで、
日本の美術は、本当に本当に混乱したのだな、と感じました。

もちろん明治〜昭和で好きな作品はたくさんあるんですけど、
「やっぱりそれは西洋の真似じゃないのか」という
釈然としない思いがどうしても拭いされない。
山口晃さんはゆがんだ日本美術の流れに組み込まれないために、
かなり意識的に「アーティスト」ではなく「絵師」という役柄を
引き受けているような気がするんですけど、どうなんだろう。

そして130〜40年を経てついに独自の表現を手に入れた日本のアートシーンですが、
でもそれは成熟を拒むような「ネオテニー(幼形成熟)」の美術。
いつまでも思春期でいたい、大人にはなりたくない、そんな気分が充満しています。
3つの展覧会を見て、かなり複雑な気分になりました。
いいとか悪いとかではなく、これが今の日本なんだな、と。


…めんどくさいお話はこの辺でおしまい。
 
前々から実物を見たかった会田誠さんの「紐育空爆之図」を見られて嬉しかった。
もっと光を当てて、ホログラムの零戦がもっともっとキラキラしてるのを見たいな。

加藤美佳さんの作品も、実物は初めてでした。
雑誌で初めて作品を見た時から大好きで、見たい見たいと思っていて。
とてつもなく緻密に描かれていて、圧倒されました。欲しい。寡作だそうで相当難しいだろうけど。

村上隆さんの「ルイ・ヴィトンのお花畑」、
屏風の裏に、ヴィトンのモノグラムが手書きでびっしり書き込まれているのに、びっくり。


ネオテニー・ジャパンのチケットを下さったTakさん
細見のチケットを入り口前で「どうぞ」と譲ってくださった方、本当にありがとうございました。
かなり充実した一日でした。

Pansies_2加藤美佳「Pansies」