花の歳月

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花の歳月 (宮城谷昌光)


面白い :☆☆☆
感動した:☆☆
役に立つ:☆☆
薦めたい:☆☆☆


読み終わってまず思ったこと→「老子読まなきゃ」
…というわけで、いま手元には「マンガ老荘の思想」 があります。


舞台は楚漢戦争後、劉邦没後。
凋落した家の娘・猗房は病の父に老子のことばを教えられ、
母と兄、弟と畑を耕して生活しています。
ふとしたきっかけから後宮へあがることとなり…というサクセスストーリー。
その一方で、姉と別れた弟・広国にはまったく別の運命が待っていました。


長編に比べると登場人物が少なく人間関係もシンプル、
戦争の時代も終わっているので首がしょっちゅう飛ぶこともない。
(呂太后がらみの逸話はどうしても血なまぐさいけど…)
物語そのものも詩的で美しいし、
合間合間にでてくる老子のことばも印象的です。
主人の初ミヤギタニはこの本でしたが、正解だと思います。
ついでに、文字と行間もびっくりするほど大きい^^;


そうそう、「香乱記」の初めに出てくる人相見・許負もちょっぴり登場します。
宮城谷さんの本を何作か読んでいると
「あ、この人、前いたよね」ということが時々あって、
そういうことがちょっとしたプレゼントのようで嬉しいです。