それでも、日本人は「戦争」を選んだ

51h9kjemvl_sl500_aa240_


それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤陽子)


面白い :☆☆☆☆
感動した:☆☆
役に立つ:☆☆☆☆
薦めたい:☆☆☆☆☆


同じ出版社の「単純な脳、複雑な「私」」と同様、
最先端の研究者が中高校生に行った講義を元にした本です。
そしてジャンルは違えど、内容の濃さも「単純な脳ー」といい勝負!おすすめです。


なにしろ太平洋戦争が終わってからまだ60年ちょっとしか経っていないだけに、
この時代のことはなかなか客観的にとらえらえない。
「人を殺すのはよくないことだ」という単純な感情論から離れるのが難しいように思えて、
これまで近現代史ものに手を出すのは避けてきました。
それなのにこの本を手に取ったのは、
冷静な目でこの時代を解き明かしてくれそうだ、という期待を持ったからです。
(単に「8月だし戦争の本でも読もうかなー」というのもあります)


日清戦争から太平洋戦争までの時代が
中高生相手の話とは思えないほど理詰めで語られ、なかなか手強いのですが、
「若い世代に近現代史をもっと知ってほしい」という著者の強い思いが感じられて
血の通った一冊になっています。
戦争が政治・経済の延長線上にあることが、実例をたくさん見せられたことで
ある程度理解できたように思います。
いや、まだちゃんと消化しきれれないから、もう一度くらい読み直したほうがいいかな。