のぼうの城
面白い ：☆☆☆☆
感動した：☆☆☆
役に立つ：☆☆
薦めたい：☆☆☆
今の埼玉にある忍城城主のいとこ・成田長親は
皆から「（でく）のぼう様」と呼ばれるつかみどころのない人です。
馬にも乗れない、刀も振れない、畑仕事をしたがるけれどとにかくヘタで、
「この人には我々がついていてあげないとね」という具合に領民に愛されています。
時は秀吉の小田原攻め。北条方の成田家は、北条への加勢をしながらも、
実はすでに秀吉と内通済です。
城主・成田氏家は小田原へ出向き、留守番をするのぼう様。
寄せ手は石田三成、大谷吉継、長束正家。
あっさり降伏する手筈だったのに、
戦の美学にヘンにこだわる三成と、のぼう様の一声で一転、開戦が決まってしまいます。
水の中に浮かぶような忍城攻めは、ほんとうにおもしろい。
坂東武者の気持ちのよい戦いっぷりにも引き込まれました。
ただ、多くの人の絶賛を先に読んでしまったので、
この本に対する期待が大きすぎて、
「もっとハラハラドキドキ面白くできるんじゃない？」「もっと掘り下げられるんじゃない？」
と、やや醒めた目で読んでしまいました。
良くも悪くも、軽いかなあ。
解説が丁寧で、会話も現代風なので、
ふだん歴史物を読まない人も読みやすいでしょうね。
オノ・ナツメの表紙はすごくいい！
他の歴史小説の装丁も、これくらいモダンに、萌えにも走らず、やってくれませんか？
この小説は映画化の予定があるみたいですね。
成田長親役は荒川良々がいいなー！つかみどころのない顔、ってので真っ先に思いついた。
武芸者だけど奥さんに頭が上がらない和泉は、照英かなあ。
三成は、大河のせいでどうしても小栗旬から離れられない。。
配役を考えるのって楽しいです。
