ダルタニャンの生涯—史実の「三銃士」ー

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ダルタニャンの生涯―史実の『三銃士』 (佐藤賢一 )


面白い :☆☆☆☆☆
感動した:☆☆
役に立つ:☆☆
薦めたい:☆☆☆☆


NHK人形劇「新・三銃士」にハマってることを以前書きましたが、
いかんせん週1回20分の放送なので、なんだか物足りない!
なにか三銃士関係の本を読みたいなーと思い、この本に手を出すことにしました。


史実のダルタニアンは田舎貴族の四男坊で相続する財産はもちろんなし。
地縁を頼ってパリに出ます。
そもそも「ダルタニアン」という名前も、お母さんの実家の姓だそう。
母方の祖父がパリで出世したので、「ダルタニアン」を名乗った方が何かと都合がいい、
という現実的な理由でそうしたのだとか。


仕事熱心なあまり家庭を顧みる暇もなく、
奥さんは子供二人をつれて実家に戻り死ぬまで別居状態。
国の役職はまるで不動産のように売り買いされていて、
ダルタニアン氏も必死でお金集めてそれを買って出世。
なんて、人形劇三銃士の世界にひたってるとがっかりするかも…


とはいえ史実のダルタニアン氏の人生もなかなか波瀾万丈です。
時の財務大臣フーケの逮捕をルイ14世に命じられ、逮捕後はこの囚人の護送や警護を担当します。
長くフーケといるうちに、敵とはいえ心を通じ合わせるようになり、
捕囚生活を不便なく過ごせるよう家財を整えたり、家族と顔を合わせられるよう配慮したり、
それでいて囚人が外部と接触しないよう警護は万全に行ったので、
ルイ14世からも高い信頼を受けます。


そしてついには銃士隊隊長に出世!とはいえ
派手好みの国王の好みに合わせるため
自腹でひらひらレース付き衣装を隊員たちに整えたりと苦労はつきない模様。
最期は若い公爵を身を挺して守り、銃弾を受けて戦死してしまいます。


綿密に調べた史実を時系列順に並べ、創作部分はなしだというのに、
やたらおもしろくなってしまうのは書き手の力に寄るところも大きいと思います。


さらについでに、NHKから出ている「新・三銃士完全ガイドブック」も購入しました。

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人形制作のために描かれたスケッチが素敵ですよ。
いま第12話まで放送済ですが、なんとこの先の、第20話までのあらすじが載っています!
読みたいけど、読まないようにがんばってます。


そして11/21〜23深夜に再放送が決まったようです。詳しくはこちら
「平日の夕方なんかテレビ見れないよ!」という方はぜひ!

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