古代ローマ帝国の遺産—栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ
上野の国立西洋美術館で12/13まで開催の
「古代ローマ帝国の遺産—栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」展を見てきました。
堂々として欠点がなくて、未来永劫変わらなさそうなアウグストゥスの座像に
なんとなく居心地の悪さを感じるのは、
動かないはずの彫像にも時間のうつろいを見ようとする日本人の感性?
女性の像も、男性像と差がないくらい腕や脚もしっかりした肉付きです。
「ローマ人の物語」読んでても、女の人、強いからなあ…
一方、豹の子供を抱く優しげなディオニュソスの像(チラシの左下の大きな写真)は
優美ではかなげで、すごく好きになりました。
あと面白かったのが、直径30cmはあろうかというガラスの骨壺。淡いブルーが美しい。
2000年前で、こんな大きなガラス壷を作る技術があったんですね。
しかも火葬した骨がたっぷり入ったまま展示されています。
薄い色しかついてないガラスなので丸見えです。
そして最下層の展示室ポンペイの邸宅から発掘された壁画とモザイク画は必見です!
個人の家にこんな装飾がなされるなんて、なんて贅沢な…
モザイクの一片一片の細かさにも驚きます。
壁画は食堂に、モザイクはその横の居間にあったそうで、その邸宅を再現した映像は
目の前にはよく手入れされた庭園、その向こうは青い地中海。
ぶどう棚がつくる木陰で、寝そべりながらワインを飲み、水のせせらぎをBGMに友人と歓談…
リゾートホテルの宣伝?というような豊かさです。
ここが東京であることを忘れて、しばしうっとりできます。
ちなみに、チラシの裏はこんな感じ。
ところで、1階のレストランで若冲の鶏柄クリアファイルを広げていたら、
隣でお食事中の方から「それは若冲ですか?」と声を掛けられました。
大阪から来られた方で、東京には2日滞在して
「展覧会4つ見て、オペラ見て、行き帰りは夜行バス」とのこと。
おそらく私の親よりずっと年配なのに、なんという行動力!
奈良の「お堂で見る阿修羅」も先日見てこられたそうです。
食べるのも忘れて、しばらくの間、美術談義で盛り上がりました。
こんな思わぬ出会いがあるから美術館は楽しいです。