河口龍夫展 言葉・時間・生命

本日11/22日は「いい夫婦」の日!しかし主人は休日出勤…
ここと2人で、東京国立近代美術館で12/13まで開催の、
「河口龍夫展 言葉・時間・生命」を見てきました。
(チケットは「青い日記帳」のTakさんからいただきました。ありがとうございます。)

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河口さんのことはこの展覧会の開催で初めて知りました。
神戸出身の方なんですね。(同郷というだけで親近感UP↑)
現代美術の作家さん、というだけで身構えてしまう人もいるかもしれませんが、
この方の作品は理解しやすい、しかもその場の理解だけで終わらない、後々まで残る静かな余韻がありました。
一気にファンになってしまいました。


素敵な作品だらけだったのですが、いくつかピックアップします。


・「光(電球)」
電球が鉄ですっぽりと覆われています。
電球にはコードがつながっていて、鉄の中で輝いているはずなのだけれど
誰も見ることはできません。
鉄の中がまぶしい光でも、はたまた闇に包まれていても、
外から見る私たちには同じようにしか見えません。


・「COSMOS」の連作
星空の一部分の写真に、その星の輝きが西暦何年に瞬いた光なのか丹念に書きこまれています。
「今見ている星空」は宇宙の歴史の蓄積、ということを思い出させてくれます。


・7000粒の命
いのちの凝縮といえる植物の「種」が、一粒ずつ鉛に包まれて、整然と並んでいます。
鉛は放射線を防ぐのに使われることを思えば、この種たちは私たちよりずっと長く生きるんでしょうね。
種の置かれた高さに目を近づけると、7000粒の命の存在感に頭がくらくらしました。


展覧会の入り口近くに、闇の中で絵を描いてみるコーナーがあります。
そういう体験コーナーがあることは前もって聞いていたので、
「よーしがんばって描くぞ!」と意気込んで小部屋に入ったものの、
見えないと何にも描けないもんです…情けない。
暗いのが怖いここはすぐに「もうあれ(スイッチ)押して出ようよ〜〜」
そのくせしばらくしたら「またあそこでお絵描きしたい」と言ってました。


「走らない」「触らない」「おしゃべりは小さい声で」
の3つを守れれば、こどもも十分楽しめる展覧会です。もちろん大人だけでも!
ふだん現代美術に興味のない方にも、大きな声でお薦めしたいです。


さて、ここがゴキゲンだったので、その後常設展もしっかり見てきました。
大好きな松江泰治さんの写真特集があってびっくり!
うちには松江さんの写真作品がひとつあるんです。
韓国の彫刻家、権鎮圭さんの作品も初めて見ましたが、素敵だった。
もっとたくさん作品を見てみたいと思いました。随分前に亡くなられているんですね…


美術館内のレストランがお値段お値打ちなのにおいしい&サービスが行き届いていることもわかり、
(フレンチの鉄人、石鍋さんのプロデュース!でも1000円台で食べられる☆)
大収穫の一日でした。

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