貝と羊の中国人

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貝と羊の中国人 (加藤徹 )


面白い :☆☆☆☆☆
感動した:☆☆
役に立つ:☆☆☆☆
薦めたい:☆☆☆☆☆


去年の今の時期に、NHKの深夜枠で「カンゴロンゴ」という
ナゾのバラエティ番組がありました。
中国古典の名文句をコントで紹介、司会はダンディ坂野、という、
NHKじゃなきゃ作れないゆる〜い番組。
かなり好きだったのに、半年で終わってしまいました…


この番組のラーメン屋のシーンに、シルクハットかぶって毎回登場していたのが
この本の著者の加藤先生です。
「ニヤッとしながら面白いこと言う学者さん」くらいの認識だったけど、
この方は書くものも面白かった!


タイトルにある「貝と羊」というのは、

 商(殷)→貝の文化(農耕民族的、現実主義)    貝の漢字は財、貨、貯、貸、買 など
 周   →羊の文化(遊牧民族的、イデオロギー的) 羊の漢字は義、美、善、犠、祥 など

この「貝と羊」が中国人の二面性を象徴しているという指摘。なるほど…とうなりました。


他にも、

「人口が6000万になると王朝が滅びる法則」
「『日本』と『中華人民共和国』という国名の不思議」
「2000年以上前から現代まで、歴史を動かした黒幕は士大夫階級」

など、太古の昔から現在の中国までをわかりやすい切り口で見せてくれます。
最後は、これから先の日本・中国の友好関係構築のための提案で締めくくられます。
歴史好きだけでなく、ビジネスで中国と関わりのある方も面白く読めるのではないでしょうか。
この本、かなりの掘り出し物でした。
加藤先生の他の本も、手に取ってみようと思います。

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