ドラマ「坂の上の雲」と「密謀」

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密謀 (藤沢周平)


面白い :☆☆☆☆
感動した:☆☆☆☆
役に立つ:☆☆☆
薦めたい:☆☆☆☆


民放のドラマはほとんど見ない我が家ですが、
大河ドラマは結構好きで、今年も「天地人」→「坂の上の雲」と見ました。
最近は「坂の上の雲」がもう楽しみで楽しみで、
日曜日だけは何としてもここを20時までに寝かそうと、夫婦で奮闘してます。
(先週日曜は失敗。パパもママもテレビに釘付けなので、ここは不機嫌でした…)


NHKが本気出すとこんなにすごいのか…毎回映画並みのクオリティ、
ロケも多いし、明治の元帥たちは全員主役級!の配役。
1回90分と長いけど、全然苦にならない。
(苦になるといえば、身動ぎもせず見てるため、終わった後腰が痛いことくらい)
日清日露戦争という、第二次世界大戦に直結するデリケートな時代を
これからどう描いていくのか、興味はつきません。


さて「坂雲」にお金をかけるぶん、「天地人」は予算が減らされたなんて噂もあります。
この「密謀」は、「天地人」と同様に、上杉景勝直江兼続を扱っています。。
天地人」の原作は未読ですが、ドラマ「天地人」と比べると、かなり硬派な物語でした。
天地人」の兼続は「ナゼだかわからないけど誰からも好かれる、いい人。」、
こちらの兼続は、必要があれば手を汚すことも辞さない、骨太な男です。


また、兼続の手先として働く、忍びの村の人々に強い印象を受けました。
村全体を守るために、個々の人間に対しては厳しい生き方を求める、
というのは、個を重視する現代的価値観とは相容れないのかもしれない。
ただ、制約の多い生き方を強いられても、
それが人生の豊かさを損なうとは限らないとも思いました。
(こんな時代に比べれば現代人はずっと自由なのに、むなしい気持ちの人は多そうですよね)


ネット上では「こっち(密謀)が大河原作ならよかったのに」という声も聞きます。
私もそう思うな…


私にとっては、この本が初・藤沢周平になりました。

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