「ガランスの悦楽 村山槐多」展
渋谷区立松濤美術館で1/24まで開催の
「ガランスの悦楽 没後90年 村山槐多」展を見てきました。
村山槐多は、1919年に22歳で結核性肺炎で世を去った、夭折の画家です。
私の中での、村山槐多に対するこれまでのイメージは
「技術的に上手いかどうかは疑問だけど、何だか忘れられない絵を描く人」というものでした。
今回、槐多の作品を初めてまとまった形で初めて見ました。
形を整えて描くことよりも、内からとめどなく出てくる
描きたいという衝動が、先に手を動かしてしまう、という印象を受けました。
手紙もたくさん展示されており、字も、お世辞にも上手いとは言えないけれど、
それも、あふれだす言葉を書きとめることに必死だった結果のように感じます。
「尿する裸僧」という、それほど大きくないけれど不思議な気を放つ油絵作品があります。
木彫のように荒々しいタッチで描かれた赤い裸の僧侶が、
合掌しながら、放尿するという、異様な絵です。
生のエネルギーをとどめることなく放つ
この僧侶は、おそらく槐多自身の姿なんでしょう。
槐多は恋愛に関しても「熱い」人だったそうで、
年下の美少年に送った、バラ色の便箋に書かれたラブレターがありました。
「僕はあなたの精神にも肉体にも戀して居ます。僕と友達になって呉れないか」
こんな熱いラブレターもらったら、これをまともに受け止めるには相当勇気要るよね…
詩もたくさん残していることは、今回初めて知りました。
これがまた、胸に刺さるものがあります。中原中也の詩と近い印象を受けました。
結核持ち、夭折、一途な恋愛…結構共通点もありますね。
詩をじっくり読みたいがために、予定外の図録も買ってしまいました。
松濤美術館、なんと入場料300円です。
設計は白井晟一。階段のなめらかな曲線は必見!
エレベーターに乗ってる場合じゃありません。